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 食べものの好みといっても和風洋風、甘い辛いはもちろんのこと、脂っぽいのと淡白なのと、いろんな風に分けられる。さいわい私は頑丈な歯を授けてもらったためであろうか、なんでも硬くてごりごりしたのが好物だ。煎餅ならもちろん固焼き、海老のあたまや魚の骨も、カリッと焼けたらぼりぼり齧る。白米よりは玄米好きで、パンならふわふわ食パンよりも、ずっしり重たいドイツ風に分が上がる。

 小麦やライ麦の全粒粉で焼くドイツのパンは、茶色くてごっついのが特徴だ。食パンなどに使われる一般的な小麦粉は、小麦のなかの胚乳だけを精製してまっ白だけれど、ふすまになる外側の殻や胚芽まで、まるごと挽いて黒っぽいのが全粒粉。硬い殻には食物繊維をはじめ鉄分ミネラル、夏バテにも効くビタミンB1、栄養補助剤にもつかわれる胚芽には、肌にうれしいビタミンEが豊富ゆえ、栄養価もまたぐっと高まる。白米や小麦粉にくらべて血糖値を上げにくいので、低インシュリンダイエットでもおすすめの食材だ。

日進全粒粉パンレシピ
http://www.okashi-web.com/zenryu/b_2.html

bishop3 ライ麦パンレシピ 
http://www.bishop3.com/sweets/bread.html

 さいきんは町のパン屋にも、ライ麦パンがあたりまえに置かれているはうれしいが、生憎うちの近所のは、色は黒いがやわらかいのが玉に瑕。毎朝たべるものなので、遠くへ買いにも行かれず、自分で焼こうと思っちゃいるが、なかなか腰があがらない。おいしそうなレシピを眺めて奮い立ち、材料は揃えたものの、一次発酵、二次発酵と手順を読むと気が萎えてくる情けなさ。重曹でふくらませる発酵なしのレシピを見つけて、これ幸いと焼いてみた。

 全粒粉250gにベーキングパウダーと重曹を小さじに半分ずつ、さとう小さじ一杯を合わせてボールにふるい入れ、牛乳170ccにレモン汁を小さじ一杯加えて手でよくこねる。まるくまとめてラップで覆い、20分ほど休ませたのち、10等分して手で丸め、170度のオーブンで15分ほど焼けばできあがり。とにかく簡単、小1時間でできるのも、根性なしにはありがたい。ロッゲンブロート、ヴァイツェンブロートなど本格的なドイツパンにはとても比べられないが、素朴な味にまるい形もご愛嬌。ライ麦で作る場合はヨーグルトを大さじ1ほど足すといい。

 イーストを使わないので、小麦粉で焼くとほろほろするが、全粒粉だと特有のもっちり感で噛み応えもちゃんと出る。全粒粉だけでは重たすぎるという方は、小麦と半々だとか1対2とか、お好みの配合で。クリームチーズやマーマレードによく合うが、そんまんまでは素っ気ないので、ドライフルーツやナッツを入れてもいいだろう。平たく丸めてフライパンでじっくり焼けば、焦げ目もついてお焼ふう、素朴さもまたひときわだ。(本間さとみ)