073.甘味に緑茶

 072.平日の美術館

 071.衣替え一考

 070.魅惑のカレイドスコープ

 069.チェコアニメーションの巨匠たち

 068.浴衣で盆踊り

 067.あなたの布団はどれですか

 066.レシピサイトレポート

 065.蚊遣りのけむり

 064.ぶらり熱帯、食虫植物

 063.オンラインデパート巡礼

 062.うちわの風

 061.タオルも手ぬぐいも

 060.真夏の夜の映画

 059.朝顔いまむかし

 058.笹の葉さらさら

 057.ディックブルーナ

 056.和傘と洋傘

 055.パジャマの好み

 054.歯は磨いたか

 053.座布団まめ知識

 052.比較的革を選ぶ理由

 051.歩くための靴

 050.カーテンも衣替え

 049.石ころころり

 048.電子本と未来の生活

 047.葉っぱの香をお取り寄せ

 046.今日は自転車

 045.Vintage Apple

 044.手塩にかける曲げわっぱ

 043.デスクトップのコモノ

 042.小春日和の雑貨

 041.鉄瓶えらび

 040.現代はりばこ事情



 bck.001 - 039

 



 
 
 

好きな映画のひとつに、まだ「ソビエト製」だったころのSF映画「不思議惑星キンザザ」がある。これまで見た映画のなかでももっとも奇妙な映画のひとつだ。ハリウッドSF映画とはまったく正反対の非エンターテイメント的わけのわからない筋、貧乏くさいとアートすれすれの特殊効果、それに、なによりも、独特の暗くくすんだ色彩が印象的だった。

どうもわれわれの感性と、ロシア、東欧圏の感性とは理解しあえないところがあるらしい、とそのころ薄々思った。ロシア、東欧圏以外のにんげんには到底だせない魅力が、かれらの作品にはあるのである。

さいきん人気の高いチェコアニメーションもおそらくそのひとつで、あきらかにわれわれは通常みなれないものをそこにみる。なぜチェコなのかはよくわからない。もともと人形劇が盛んだったり、政治的にながく抑圧されてきた、しかし芸術にとってはしばしば有益な、不幸な歴史が関係しているのかもしれない。とにかくチェコなのだ。

チェコアニメーション(アニメーションといっても、パペット人形やクレイ粘土を多用した作品が主流)をみたことがなくても、おそらく、それに影響をうけた諸作品はかならずどこかでみたことがあるにちがいない。ティムバートン、テリーギリアムなどの欧米の映画監督の作品もおそらくそうだ。NHK教育の人形番組もそうかもしれない。

ということで、以降、チェコアニメーションを代表する作家たちを紹介してみた。実は正直にいうとわたし自身それらの作品をきちんと見ていない。各リンクは参考資料的に利用させていただいた。

カレン・ゼマン
http://www.chelucy.com/nsw/cine/karel_zeman/
1911-1989 チェコアニメーション界の巨匠。パペットアニメーションのみならず、実写と組み合わせたり、切り絵やガラス細工などをも用いるなど、実験的な手法も高い評価をうけた。
魔法使いや恐竜、シンドバッドなど、冒険/SF要素を盛り込んだ作品がおおい。当時大人気作家であったジュールヴェルヌ原作の「盗まれた飛行船」、「彗星に乗って」の2作品は個人的にとくに見たい。

イジー・トルンカ
http://www.city.tochio.niigata.jp/bunka/bijyutukan/tyekoiji.html
1912−1969 チェコアニメーション界を代表する巨匠のひとり。アンデルセン賞受賞絵本作家。カレン・ゼマン同様、パペットアニメーションを中心に、セルアニメや切り絵アニメなども作製した。
詩的で繊細な作風が特徴で、映画監督、画家、作家としての優れた才能を駆使したアーティスト。代表作のひとつ「電子頭脳おばあさん」なんて、タイトルを見ただけで見たい。

ヘルミーナ・ティールロヴァー
http://plaza.bunka.go.jp/museum/article/14.html
1900-1993 ゼマン、トルンカ以前に活躍した「チェコアニメーションの母」。生涯50以上の作品を作製し、アート色の強いゼマン、トルンカにくらべ、ハンカチがキャラクターの「結んだハンカチ」や、毛糸だまがキャラクターの「二つの毛糸玉」など、どれも純粋に子供のために作られた愛らしい作品が多い。

イジー・バルタ
http://www.imageforum.co.jp/barta/brt-fimg.html
1948-
ゼマン、トルンカ以降の代表格のひとり。すくなくとも子供の観客を意識したティールロヴァーらの作品と異なり、オトナむけ。製作した作品のほとんどは、シカゴ、オーバーハウゼン等数々の映画祭で受賞するなど高い評価をうける。
廃屋のマネキンたちが主人公の「見捨てられたクラブ」、吸血鬼屋敷に忍び込んだ泥棒の「最後の盗み」などは個人的に、あーみたい。現在も、1996年にパイロット版が出たままという新作「ゴーレム」の製作中とか。

ヤン・シュヴァンクマイエル
http://columbia.jp/dvd/titles/artanime/yan.html
1934- 「残酷でいかがわしい」、「悪趣味」等、なかなか魅力的な形容詞のつくシュールレアリスト。パペット、クレイアニメーションや実写とを組み合わせるなど、さまざまな手法を駆使する。
「いかがわしくも悪趣味な妄想が噴出」しているらしい「アリス」は個人的に、ぜひ見たい。

チェコアニメ新世代
http://www32.ocn.ne.jp/~rencom/cesk02/NovaTop.htm
そのほか、魅力的な作品をうみだす作家にはことかかないらしいチェコアニーメーション界だが、もちろん現在も、20-30代の若手作家たちがつぎつぎと新しい作品を発表している。セルアニメ−ションやCGアニメーションにほぼ限られている日本やアメリカの作品にくらべ、テクニックや手法が幅広いだけに、いったんファンになるとなかなか目が離せそうにないだろう。 これらの作品は、amazonなどのDVDコーナーで検索をかければ入手できる。
人気もあり品揃えも豊富だ。


 また、各地のアートシアター等でも頻繁に上映会が開かれている。まだまだ一般的なマイナーな部類にはいるチェコアニメーションの諸作品を、比較的かんたんに見ることのできるのはよろこぶべきことだろう。さて、見たい、見たい、とばかりいってないで、DVDの2.3枚でも注文してみようかしら。(櫛谷)