073.甘味に緑茶

 072.平日の美術館

 071.衣替え一考

 070.魅惑のカレイドスコープ

 069.チェコアニメーションの巨匠たち

 068.浴衣で盆踊り

 067.あなたの布団はどれですか

 066.レシピサイトレポート

 065.蚊遣りのけむり

 064.ぶらり熱帯、食虫植物

 063.オンラインデパート巡礼

 062.うちわの風

 061.タオルも手ぬぐいも

 060.真夏の夜の映画

 059.朝顔いまむかし

 058.笹の葉さらさら

 057.ディックブルーナ

 056.和傘と洋傘

 055.パジャマの好み

 054.歯は磨いたか

 053.座布団まめ知識

 052.比較的革を選ぶ理由

 051.歩くための靴

 050.カーテンも衣替え

 049.石ころころり

 048.電子本と未来の生活

 047.葉っぱの香をお取り寄せ

 046.今日は自転車

 045.Vintage Apple

 044.手塩にかける曲げわっぱ

 043.デスクトップのコモノ

 042.小春日和の雑貨

 041.鉄瓶えらび

 040.現代はりばこ事情



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ようやく九月、長月。まだ当分半そではしまえそうにないが、陽が落ちたあとの秋の気配は濃厚で、夜はもう肌掛けのぬくもりがこころよい。遠からず、布団を引っ張りだす日もくるだろう。

布団といえば、まず木綿わたの布団が浮かぶ。職人の手による上等の敷布団は、中高で頭の方がより厚く、上下が側地の柄でわかるようになっている。めったにそのような布団に縁はないが、さて、一昔前まで布団の代名詞であったこの木綿わたの布団、重さと、へたりを予防するためのこまめな日干しが敬遠され、近年めっきり少なくなったようだ。

木綿わた以上にお目にかからなくなったのは真綿の布団だろう。真綿とは木綿ではなく絹のわた。昔は嫁入り道具の一つだったそうだが、桐箪笥とともに、とうにその習慣はすたれてしまった。布団屋さんですら、打ち直しでお目にかかることはほとんどなくなったという。

おたふくわた(木綿わた)  http://www.honeyfiber.com/
白雪(真綿) http://www.rakuten.co.jp/shirayuki/507923/508087/508241/

木綿わたに代わり、掛け布団の中綿の主流となったのは羽毛だろうか。軽くてあたたか、価格もずいぶんと手ごろになった。布団といえど構造は進化するものらしく、最近は側地を直接縫い合わせない立体キルティングが人気だ。立方体のひとつひとつに羽毛を充填するので偏りがなく、キルト部分からあたたかな空気が逃げることもない。ちなみによい羽毛布団を選ぶ目安は、かさがあって軽く、においが少なくて、ダウン含有率が85%以上のがさがさしないもの。業界ではフェザー50%以上のものはもはや羽毛布団とはいわず、羽根布団と呼ぶそうだ。

Merry Night http://www.merrynight.com/products/products.html
無印良品 http://store.muji.net/user/ListProducts/...

羽毛布団は快適だけれど、ネックはどうしても防ぎきれない羽根埃。アレルギー疾患にとって禁忌すべきやっかいものだ。そこでシェアを伸ばしているのが丸洗い可能な布団。そのさきがけで最もポピュラーな中綿素材はデュポン社製ダクロンわた。れんこん状の空気孔があいた丈夫なポリエステル繊維で、コンフォレル、クォロフィル、ホロフィルの3種が用途によって使い分けられている。わがやもクォロフィルの掛け布団に切り替えて7年になる。保温性は羽毛にやや劣るものの、埃は劇的なまでに軽減された。

今後も伸びが見込める市場とみえ、国内各社も新製品の開発に余念がない。西川のエルゴスターは、ポリエステル長繊維シートの開発と3Dフィットキルトパターンでグッドデザイン賞を受賞している。他に、カネボウのダウンベル、東レのセベリスα、東洋紡のシュレープ、テイジンのフレッシュスペリオールなども家庭で丸洗いのできる中綿素材だ。

セシールオンネットワーク(クォロフィル) 
http://www.cecile.co.jp/p/c153/
西川リビング 
http://store.yahoo.co.jp/nishikawa-living/nishikawa-living6.html

羊毛、キャメル、麻など、布団の中綿素材はまだまだあるが、いずれも布団は四角と相場が決まっている。ところが、滋賀県の布団屋さんワタセは四角くない布団を作ってしまった。ちょっと面喰らう「みのむしふとん」。たしかに子どもは喜びそうですが。

ワタセ http://www.watase.co.jp/

夜型生活でいつも寝不足。そんな人はいまさら少なくないと思う。最近の研究で、一日の睡眠時間が7時間の人が最も長命であることがわかった。別に長生きなんてしたくない、と常々思っている不摂生人も、最低6時間は睡眠をとったほうがいい。これは、睡眠中に脳がレミネセンス(追憶)を行うのに必要だから。楽器を演奏する人はよくあると思うけれど、いくら練習してもうまくできなかった箇所が、翌日すんなりできるようになっていた、なんていうのがレミネセンス。副産物はゆめ。本人は、ただねむればいい。仕事をしていて、どうしても打開策を見出せない難問に直面したときは、とりあえず布団へ、という選択肢もまんざら逃避行為ではないのだ。この脳の働きについては、ほぼ日ブックス「海馬」(池谷 裕二著)に詳しい。結構知らない脳の話が満載で、おもしろい。

ほぼ日刊イトイ新聞 http://www.1101.com/home.html
maruhachiねむりの雑学 http://www.maruhachi.com/nemuri.html

現代は知らず、昔から泥棒が跳梁するのは秋口といわれている。夏の名残で戸締りが甘いのにもかかわらず、暑さでたまった疲れからか、ひんやりとした夜気にさそわれて深く寝入ってしまうのは誰しもおぼえのあるところ。この季節、いくらこおろぎやまつむしの音に聞きほれようとも、よくよく戸締りをしてから布団にはいることをおすすめする。(大澤)

虫の音WORLD http://mushinone.cool.ne.jp/