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3年以上使っていたカーフスキンのリュックがこわれてしまった。カブトムシがひしとつかまっているような、遊び心のある、イタリアらしい形にひとめぼれして買ったものだった。お察しのとおり、丈夫なカーフスキンが3年程度でだめになってしまうはずはなく、こわれたのはファスナーの、しかもムシ部分ではなく、ごくごくわずかな布部分。出し入れ口が、カブトムシのちょうど羽のつけねにまあるく弧を描いてあいている。だからどうしても、しまいの5cmで力がかかってしまうらしい。かえすがえすも口惜しいのは、本当にあとはまったく、どこもなんともないのだ。 ながながと未練のほどをつづったところで、切れた布が戻るではなし。日常使いのバッグに不自由しては、買い物にも出かけられないとあって、結局、すぐに別のものを買い求めた。BREEのフラップショルダー。やはり素材はヌメ革で。すこし前まで、わたしの使い勝手からすると、やや大きめとかなり小さめのラインナップだったのが、「New」と銘打たれた、手ごろなサイズが店頭に並んでいたものだ。ちょうど、広辞苑などの中辞典程度の大きさ。 BREE http://www.nixx.co.jp/bree/ 新しいアイテムにいくら心おどっても、ヌメ革製品は、買ってすぐに持ち歩くようなことをしてはいけない。自分は避けても、まず革はこんがり、すみずみまで丹念に陽のひかりにあてること。これで、内部から天然自然にしみでたオイルが保護膜となり、そのあとのムラやしみを防いでくれるというのだから。 こうして準備ばんたん、最初こそ大事にそろそろと持ち歩いていたものが、車から落としてみる、なにかぺたぺたした食べ物をくっつけてみる、雨にはあたる。日常使いは、やはりこうでなくては。 ちなみにかばんを開けると、出てくる財布も無印のヌメ革。足元はホーキンスのオイルレザーと、芸のないことこのうえない。革の、しかも型押しでないものばかり選ぶ理由を問われたら、即座に口をつくこたえは、楽だから。だって、傷をつけてもこすれても、古くなってもそれはそれ。ヌメ革なら徐々にキャラメル色に変わるのも楽しいし、オイルレザーはMINKオイルを与えてやれば、いつだってたちどころにつやつや。そして、バッグと靴の色あわせに悩むこともない。 無印良品「MUJI.net」 http://www.muji.net/ 鞄工房土屋 http://www.rakuten.ne.jp/gold/takuminowaza/Ippan/Ichiran/ 宗川鞄店 http://www11.ocn.ne.jp/~munekawa/ 大峡製鞄 http://www.ohbacorp.com/product4.php ORTHODOXEE http://www.orthodoxee.com/top.html# HANE HANDS http://www.hanehands.com/index.shtml 探せばまだまだ出てくる革のモノ。文庫本カバー、季節は過ぎた冬の手袋、ぱちんぱちんと二つ鍵の小さなトランク、とうに手放してしまったけれど、ハードな革ジャンなんかも持っていたっけ。買うときにはちょっとした出費でも、飽きのこない気に入ったデザインさえ選べば、減価償却など目ではないほど革は長持ちする。 これからの季節にはチョーカーやブレスもいい。なんでもない白いTシャツをスタイリッシュに演出してくれるから。要するに革は、季節を問わず活躍してくれる名脇役なのだ。(大澤) |
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