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コンピューターや家電メーカーが提示する「未来の生活のイメージ」はいろいろあるけれど、そのなかでもかならず含まれるのが電子ブックだ。透明な紙に似た機器をひろげると、その日の新聞の記事がスクロールして出てきたり、ピカソの絵画が出てきたり、どこかのボタンをおすと、TV電話にもなって、海外の友人とにこやかに会話ができる、とそんなイメージだ。 それらはパソコン上では各々すでに実現しているし、まるで紙のようなディスプレイ機器も実用化のめどはたっているらしい。もう4.5年もすると、イメージそのままの器械が家電店などで売られているのかもしれない。 それまで待てない場合は、いま、かぎりなく「本」に似た機器、として松下電器の発売した「ΣBook」が人気だそうだ。みていただけるとわかるとおり、「未来のイメージ」とはちょっと遠く、見開きの液晶ディスプレイ、といったところだけど、なにやら新しいところがそそられる。買い、かどうかはべつとして、欲しいような気はする。 ΣBook http://www.sigmabook.jp/info/ ΣBook電子書籍コンテンツ http://www.sigmabook.jp/ いわゆる電子本、あるいは電子図書館といった構想は、実はインターネットの黎明期それ以前からあり、おもに著作権の切れた書籍を電子化して配布するプロジェクトは熱心にすすめられていた。 先駆としても有名なのが、活字印刷の発明者グーデンベルグの名を冠したプロジェクトグーデンベルグ[Project Gutenberg]だ。聖書から、不思議の国のアリスまで、現在、膨大な数の書籍が電子化され、いつでも読めるようになっている。 Project Gutenberg http://promo.net/pg/ 青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/ プロジェクト杉田玄白 http://www.genpaku.org/ 日本での同様の活動が、「青空文庫」、「プロジェクト杉田玄白」などの組織である。青空文庫では、漱石、鴎外など、おもに明治大正、昭和初期くらいの作家の作品を読める。「プロジェクト杉田玄白」では、「オズの魔法使い」や、「アイルランドにおける貧民の子女が、その両親ならびに国家にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」などの翻訳が読める。 ただ、Project Gutenbergが資金難でいちじ活動を危ぶまれるなど、いまひとつマイナーなのは、電子本という未来的イメージのわりには、コンテンツがちょっと古くさいせいかもしれない。日本では著作権の切れるのは「著者」の没後50年(刊行後ではない)のため、どうしても漱石鴎外の域を出ないのだ。 これらがやや学究的なイメージならば、もちろん、新刊の電子本をオンライン販売する動きもさいきんとくに活発だ。 PDABOOK.JP http://pdabook.jp/pdabook/default.asp ビットウェイブックス http://books.bitway.ne.jp/ ウェブの書斎 http://www.shosai.ne.jp/ 10daysbooks http://bb.10daysbook.com/shop/ ひととおり電子書店めぐりをすると、"ちょっと違う"というのはあるかもしれない。手塚治虫や永井豪など、むかし熱心に読んだなつかしい漫画に出会えるのは楽しいし、「ウェブの書斎」では立ち読みもでき、ふだん読まない本をかいま見るのもおもしろい。ただ、小説やそのほかのラインアップはいまのところ、むむ、といった感じだ。青山ブックセンター並み、とはいかなくても、それに近い品揃えになってくれると、雑貨好き関連の人間にはたまらないかもしれない。 まだまだ始まったばかりだし、多くを求めてはならない。たぶんもうすぐ、自宅でくつろぎながら、ありとあらゆる雑誌や新刊をオンラインでたちよみできるような仕組みがでてくるにちがいない。それはそれでとくに出不精には、なにか楽しそうな未来のイメージだ。(櫛谷) |
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